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信達民選集にみる観音寺炎上事件

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信達民選集にみる観音寺炎上事件

伊達政宗の諜報部隊とされている。足の脛(すね)に黒の革脚絆を巻いていたことからそれを組の印として、黒脛巾組と呼ばれるようになった忍者の集団を調べています。日本一、黒脛巾組について詳しいサイトを目指します。今回は以前、「今度読むリスト」に入れたものを読めたのでそれについて。

・おさらい
・信達民選集とは
・該当の部分
・観音寺炎上
・まとめ

 

おさらい

郷土史からさぐる黒脛巾組 の部分で、今度読むでリストに入れていました。(このシステムなかなかいいな。読まざるを得なくなる)

黒脛巾組について調べて研究して書いている文献はほとんどありませんが、昭和9年の仙台郷土研究に、鈴木節夫氏が「黒脛巾組、その他(戦闘用語、銃砲など)」として書いていました。その中に、伊達家の細作の行動の部分として出てきたのが信達民選集でした。

 

信達民選集とは

東京の近藤喜一氏によって昭和3年6月に発行された。現福島県の地域の伝承、古老から聞き伝わった昔話を書き留めた短編集をまとめたもの。

近藤喜一『信達民譚集』を読む--研究素描 (特集 『爐邊叢書』)
ここからはまだ2007年版はデジタル化されていないようですぐに読めないが、ジャンルが昔話伝説研究会に属していることがわかります。

 

該当の部分

長い間の言い伝えで藤田と貝田、徳江は仲が悪い地域とされてきたが古文書の発見によってその理由がわかったとはじまる。忍者が関係する部分は、

「慶長三年(1598年)の前後、仙臺の伊達政宗が虎視眈々として隣藩上杉景勝の領知を窺つたけれど、當時にあつては梁川城の須田大炊介、福嶋城の本庄越前守父子などの剛勇揃が頑張つて居るので流石の梟雄独眼竜も手を下す事が不利であると悟つたので、いろいろな謀略を用ゐた。或は間者を放つて様々な流言蛮語を飛ばして藩主と領民との離間を試みたり、利を以て領民の心を釣らうとしたり、或は村と村との間に紛擾(ふんじょう)を醸さしめしたりした。」

ふんじょう・・乱れもめること。ごたごた。ーコトバンク

当時徳江(伊達郡北部の徳江村、森江野村大字徳江)の観音堂は最も古い歴史があってお祭りなどは賑やかなものだった。対して隣村の藤田や貝田のお祭りは憐れにも寂しいものだったため、藤田(今の藤田町大字藤田)や貝田(今の大木戸村大字貝田)の若者と徳江の若者共とは仲が悪く、流血の闘争もあったとの背景が描写されています。

「そこにつけこんで政宗方の間者が暗中に活躍したので、両者の間は険悪になって来た。」

やはりここでも、役割として様々な流言蛮語を飛ばし仲違いに火を注いでいたようです。

 

観音寺炎上

慶長五年の冬、藤田村貝田村の農民が大挙して徳江村に襲来し、夜火を放って全村を焼き払った。観音寺の七堂伽藍も古文書とともに灰となってしまった。このことを観音寺の僧がひとり竹林に隠れ逃れて生存して書き遺したものが後に発見される古文書となるのです。

また、
「この騒動は或いは徳江の農民が伊達家に買収されて、伊達家に心を寄せることを藤田貝田の農民が藩廰(藩の役所)に密訴したので偵史をつかわし調査したところ、その間の消息が判明したので、直に捕史(ほり)を遣わして伊達家の間諜を捕縛せしめようとしたが、逸はやく姿を隠くしてしまつた。それから役人共は農民等を使嗾(しそう)してかかる惨劇を演ぜしめた物とされている。」とも書かれています。

ほり・・・罪人をつかまえる役人。とりて。

しそう・・・指図してそそのかすこと。けしかけること。

文書については、大正十五年初冬是に関する古文書が伊達郡伊達崎村のある 舊家(旧家)の長持の底から発見されて、(慶長七年は1602年)慶長七年正月二十一日に書かれた物で中折様の紙で十五枚ある。今では徳江の観音寺に珍蔵されていると書かれています。

まとめ

(人取橋の戦いは1586年 摺上原の戦いは1589年)

言い伝えではありますがこの本からは伊達家の間者が様々な流言蛮語を飛ばして、最後には観音堂炎上という大事件を起こした。藤田貝田側が捕史をその事件の後に遣わして伊達家の間諜を捕縛せしめようとしたが、逃げられたとの記述がありました。黒脛巾組という呼称についてはこの時代の慶長七年(1602年)には一般的でなかったようだということも読み取れると思います。ただ、間諜(間者)の働きをする伊達藩の者はいたということがわかり、また、摺上原の戦いと黒脛巾組 で見たように、木村右衛門覚書では政宗公がくろははきと言っているため、黒脛巾というのは実際に活躍していた頃に用いられていた隠語だったのではないでしょうか。

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